眼科
科の方針
- 眼の健康を守るため、常に学ぶことを怠らず、適切な医療を患者さんに提供できるように努めます。
- 丁寧な診療を心がけ、検査や手術に当たっては、十分な説明を行い、安心して眼科医療を受けていただけるよう努めます。
- 地域の医療機関と緊密な連携を保ち、セカンドオピニオンにも対応します。
- 他の診療科と常に連携を保ち、全身的なケアに努めます。
- 眼科専門医を志す、若い医師の育成を行います。
診療内容
概要
- 眼科専門医5名、専門医志向医3名の計8名で診療を行っています。
- 眼科全般に関する診療に加え、白内障、網膜硝子体疾患、緑内障、斜視弱視などの小児眼科疾患に重点をおいています。
白内障
- 白内障は眼の中のレンズ(水晶体)が濁って、ものがだぶって見える、まぶしい、かすむなどの症状を引き起こす病気です。
- 加齢が主な原因ですが、その他に糖尿病など、全身の病気に合併するものなどもあります。
- 手術は、眼球に2〜3ミリの切開を加え、水晶体の中身を砕いて吸い出し、プラスチック製のレンズを移植する方法(超音波乳化吸引術と眼内レンズ挿入術の同時手術)が一般的で、日本では年間100万件以上の手術が行われています。
- 当科では患者さんのご希望と、全身状態などを併せて考慮し、日帰り手術と入院手術のいずれかで行っています。通常は局所麻酔での手術ですが、全身麻酔での手術も可能です。
- 日帰り手術は外来センター病院内の日帰り手術センターで行っており、手術日、翌日、翌々日の3日間の通院が必要です。
- 入院手術は片眼について、1泊2日ないし2泊3日で行っております。入院日に手術を行います。1泊2日の場合は退院後、翌日外来受診が必要です。
- 白内障手術のご予約は1~4か月先となります。手術待ちの期間は担当医により異なりますので、詳しくは眼科外来までお問い合わせください。
網膜硝子体疾患
主に以下の疾患について、検査、治療を行っています。
- 糖尿病網膜症:糖尿病による3大合併症の一つで、眼の中に出血したり、眼球の裏側の膜(網膜)が腫れたり(糖尿病黄斑浮腫)、網膜がはがれたり(牽引性網膜剥離)して視力が低下します。
当科では当院の糖尿病センターと連携し、全身管理のもと、網膜レーザー光凝固術、硝子体手術、抗VEGF薬硝子体注射などの治療を積極的に行っています。 - 網膜剥離:網膜に孔(網膜円孔)や裂け目(網膜裂孔)ができて、網膜が眼球の壁からはがれてしまう病気です。放置すると失明します。網膜復位術(バックル手術)、硝子体手術を行っています。
- 加齢黄斑変性:加齢を主な原因として網膜の中心(黄斑)の網膜下に水や出血が溜まり、視力が低下する病気です。
抗VEGF薬の硝子体注射を主に行っています。 - 網膜静脈閉塞症:動脈硬化により、網膜の静脈が詰まり、あふれ出た血液や水分などにより黄斑網膜が腫れ、視力が低下する病気です。
抗VEGF薬の硝子体注射や網膜レーザー光凝固術を行います。 - 黄斑上膜:黄斑網膜の表面に薄い膜が形成され、ものがゆがんで見えたり、視力が低下する病気です。軽度の場合は経過をみますが、重度のものには硝子体手術を行います。
- 黄斑円孔:黄斑の中央に孔ができて視力が低下する、中高年の女性に多い病気です。早めの硝子体手術で視力を回復することができます。
緑内障
緑内障は、視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなったり部分的に見えなくなったりする病気です。実際に視野障害が起きていても、無意識のうちに両方の目で補い合い、見えなくなった部分を周囲がカバーするため、自分では気付かないことが多く、また視野欠損が中心に及ばない限り視力は低下しないので、病気の発見が遅れることも少なくありません。
日本緑内障学会が2000年9月から2001年10月にかけて行った大規模疫学調査では、40歳以上の日本人の20人に1人が緑内障にかかっていると報告され、現在中途失明原因の第1位です。早期に発見し、治療を開始して病気の進行を抑えることが大切です。
当院では、手術を中心とした緑内障診療を行っております。
担当医:成田亜希子、杉原佳恵
緑内障ってどんな病気?
当院で施行している主な緑内障手術
- 緑内障レーザー手術
- 線維柱帯切除術
- 線維柱帯切開術
- 隅角癒着解離術
- トラベクトーム®手術
- iStent®トラベキュラー マイクロバイパス ステント
- 緑内障チューブシャント手術
手術症例数
2019年度の手術症例数は1,954件でした。(レーザー手術を除く。白内障手術は同時手術を含む)
白内障手術 | 1,291件 |
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緑内障手術 | 400件 |
網膜硝子体手術 | 201件 |
斜視手術 | 6件 |
その他 | 56件 |