呼吸器内科
当科で扱う疾患と主な診療内容
呼吸器内科は、肺がん、呼吸器感染症、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患 (COPD)、間質性肺炎、肺非結核性抗酸菌症、急性・慢性呼吸不全など呼吸器疾患全般にわたって診療を行っています。
また、呼吸器病センターの一員として、呼吸器外科、放射線科、麻酔科、リハビリテーション科、臨床工学科、薬剤部、医療ソーシャルワーカーとも協力して患者さんのためのチーム医療を行っています。
急性呼吸不全に対しては、集中治療室(ICU、HCU)において、麻酔科と共同で、人工呼吸器(気管挿管下、鼻マスク式(NPPV))の管理を行なっています。急性・慢性呼吸不全においては、呼吸サポートチーム(RST)のサポートのもと、人工呼吸器離脱や在宅療養に向けて、チーム医療を行っています。
間質性肺炎などリウマチ・膠原病との関連がある疾患も多く、リウマチ・膠原病センターとも密に連携して治療を行っています。
入院患者の約半数を占める肺がんにおいては、ガイドラインのみならず、適切なエビデンス(この治療法がよいといえる証拠)に基づいた治療を行っており、個々の患者さんにおいても、年齢、体力、治療に対する考えなども考慮した治療を行っています。
診療の特徴
1)気管支鏡検査
年間約300例以上に気管支鏡検査を行っています。ほとんどを外来で行っています。最近は仮想気管支鏡(バーチャル気管支鏡)を使って、末梢の腫瘤に対しての診断能力を上げる努力をしています。
気胸や肺出血に対する気管支鏡治療として、EWS(シリコン性気管支充填剤)を用いた気管支充填術も行っています。
左:EWS(シリコン性気管支充填剤)・右:EWSを鉗子で気管支に詰めている写真
胸水や胸膜疾患に対しては、内科において局所麻酔下胸腔鏡を行っています。
左:胸腔ビデオスコープ・右:胸腔鏡で鉗子を使い生検をしている写真
2)肺がんの治療
最近話題のゲノム医療にも積極的に取り組んでいます。がん遺伝子パネル検査を診断時、手術時など可能な限り早期に行なっており、その結果を参考に分子標的薬剤の選択や治験への紹介を行っています。具体的には、院内臨床研究として遺伝子パネル検査 (オンコマイン)で47の遺伝子変異を調べ、国立がん研究センター東病院との共同研究(LC-SCRUM-Asia)でもがん遺伝子パネル検査を行っています。
病期(病気の進行具合)や転移がないかについて調べる検査として、院外でのPET-CT検査または、院内での全身腫瘍MRIを利用しています。特に、全身腫瘍MRIは放射線被曝がないこと、注射がないこと、安価であることなどが特徴的で、最近使うことが増えています。
岡山肺癌治療研究会(OLCSG)、瀬戸内肺癌研究会(SLCG)、中国・四国呼吸器疾患関連事業包括的支援機構(CS-Lung)等の臨床研究グループに属しており、新しい内科治療(抗がん剤や放射線治療)の開発などの臨床試験にも携わっています。
治療方針決定のために肺がんキャンサーボードを毎週行っており、呼吸器外科・放射線科とも密な連携をとり、手術療法、放射線療法、抗癌剤化学療法をチーム医療として垣根なく行っています。
実績
施設認定
日本呼吸器学会・日本呼吸器内視鏡学会・日本臨床腫瘍学会・日本がん治療認定医機構の専門医受験資格のための認定施設あるいは連携施設であり、医師の教育にも力を入れています。
医師資格
川井 治之 | 日本呼吸器学会専門医・指導医 日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医・指導医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医・暫定教育医 |
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渡辺 一彦 | 日本呼吸器学会専門医・指導医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 |
張田 信吾 | 日本呼吸器学会指導医、専門医 日本臨床腫瘍学会暫定指導医 |