スキンケアしていますか?

皮膚は、外界のさまざまな刺激から私たちを守ってくれている大切な器官です。

実は、皮膚には私たちが思っている以上にさまざまな役割があります。
その中でも重要なものとして、以下のようなものがあげられます。

皮膚の主な役割

  • 外からの刺激や細菌の侵入を防ぐ角質層のバリア機能
  • 細菌の繁殖を抑え、皮膚の状態を弱酸性に保つ静菌緩衝作用
  • うるおいを守る保湿作用
  • 体温の調節
  • 不要な物質を汗として出す排泄作用

しかし、紫外線、虫刺され、乾燥、さらに抗がん剤治療をはじめとした薬の影響など、さまざまな要因で皮膚の働きを妨げてしまうことがあります。

皮膚を清潔に保つには?

お風呂で体を洗うとき、ナイロン製のボディタオルでゴシゴシとこすると、「しっかり洗った感じ」がして、かゆみも落ち着いて気持ちいいと感じる方は少なくありません。

しかし、そのような強いこすり洗いでは、実は汚れはそれほど落ちておらず、逆に皮膚を傷つけてしまうことがあります

体を洗うときは、ボディソープや石けんをよく泡立てて、手で洗う方法がおすすめです。
「物足りない」と感じるかもしれませんが、実は泡だけで汚れはしっかりと落ちますし、必要以上に皮膚を傷つけないため、バリア機能も保つことができます。

泡立てが苦手な場合は、ボディソープや石けんを簡単に泡立てることができるグッズが100円ショップやドラッグストアなどで手軽に手に入りますので、ぜひ活用してみてください。

また、使用するボディソープや石けんは、皮膚の性質に近い中性~弱酸性のものを選ぶと、より肌にやさしく洗うことができます。

保湿はどうしたらいい?

皮膚が乾燥するとかゆみが起こりやすくなり、そのかゆみでひっかいてしまうと皮膚が傷つき、損傷を生じる可能性があります。

特に、入浴後や手洗いの後は、皮脂(肌のうるおいを守る成分)も洗い流されているため、できるだけ早く保湿剤を塗ることが重要です。

入浴後は、10分以内に保湿剤を塗るのが効果的です。
体が温まって毛穴が開いている状態なので、保湿成分が肌になじみやすいタイミングです。

保湿剤は何を使ったらいいの?

保湿剤は特別なものでなくてもかまいません。
ご自宅にあるもの、ドラッグストアなどで簡単に購入できるもので十分です。

市販されている保湿剤にはいくつかの種類があり、たとえば、

  • 皮膚表面に膜を作ってうるおいを閉じ込める(皮脂の代用)タイプ(例:白色ワセリン)
  • セラミドを補うタイプ(例:キュレル、ニベア スキンミルク)
  • 角質層の水分保持作用を高めるタイプ(例:ヒルマイルド)

などがあります。

どれを選ぶかは、患者さんやご家族が購入しやすく、肌に合うもので大丈夫です。

皮膚トラブルを予防するためにも、毎日のスキンケアを習慣にしましょう。

※本記事は広報誌「やわらぎ」(180号:2022年晩秋号)に掲載したものをWEB用に再編集したものです。

この記事を書いた人

中島 幸恵なかしま さちえ


資格

  • がん看護専門看護師
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