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上手に水分補給をして、脱水症を予防しましょう!

今回のテーマは「脱水症と水分補給」についてです。
暑い時期になると特に耳にすることが多い話題ですが、季節にかかわらず年中を通じて脱水症対策は必要です。

脱水症になると、どうなるのでしょうか。また予防をするにはどのようなことに気を付ければよいでしょうか。このページはこれらのポイントについて説明します。

脱水症の主な症状とは

脱水症をおこした女性のイメージ写真

下記は脱水症でみられる症状の一例です。
脱水症になると、心筋梗塞や脳梗塞、臓器不全などを引き起こす可能性があります。
そうなる前に、予防をしましょう!

脱水症の主な症状
  • 喉の渇き
  • 尿量の低下
  • 吐き気
  • 立ちくらみ
  • 頭痛
  • 肌や口の乾燥
  • 意識がもうろうとする
  • 筋肉のけいれん

水分が摂れない理由は?

まず、水分が十分に摂取できない理由を知り、原因を解決することが大切です。

水分が十分に摂れない理由(一例)
  • 吐き気や食欲不振がある
     (治療の副作用によるものや、痛み、気分の落ち込みなど)
  • 口腔内のトラブル
     (口内炎や味覚異常など)
  • トイレの回数が増えるのが嫌
     (何回も通うのが大変、夜起きてしまう、失禁が心配など)
  • 水分が欲しいと思わない
     (渇きを感じにくい、水分摂取の必要性にピンとこない、認知機能の低下など)

必要な水分量はどのくらい?

水の入ったペットボトルのイメージ写真

ひとの体の約60%は水分で占められています。老化により少しずつ割合は低下し、高齢者では約50%といわれています。体格の違いや持病による制限などもあるため個人で異なりますが、一般的に、1日に必要な水分摂取量は1.5リットル程度といわれています。

普段使っているコップや湯呑が、一杯で何mlくらい水分補給ができるでしょうか?
一度、チェックをしてみてください。

効果的な水分補給のポイント

こまめに少しずつ飲む

一度にたくさん飲んでも、それがすべて体に吸収されるわけではありません。一度に吸収しきれなかった水分は排泄されるため、尿が増えます。トイレに行く回数が増えることを気にして、水分摂取を控えてしまう原因になり、悪循環になってしまいます。また、一度に多くの水分が摂取されると胃腸や内臓に負担がかかってしまいます。そのため、こまめに少しずつ飲むことが、水分の吸収効率をよくする上手な飲み方といえます。

カフェイン入りの飲み物は利尿作用があるので注意

緑茶、紅茶、コーヒーなどは利尿作用のあるカフェインが含まれており、水分補給にはあまり適していません。お茶なら、麦茶や玄米茶などにはカフェインが含まれておらず、おすすめです。最近は「ノンカフェイン」「デカフェ」などと表示されている、カフェインを含まないものも増えています。

ミネラルも補給しましょう

汗をかくことにより、塩分やミネラルも失われてしまいます。経口補水液なども取り入れましょう。

「喉が渇いた」と感じてからでは遅いので、計画的、意識的に水分補給をしましょう。
外出時にもすぐ飲めるように、持ち運びをお忘れなく!

水分補給をする高齢者のイメージ写真

 ※ 注 意 ※ 

持病などの理由で、水分や塩分を制限している方もいるため、この限りではありません。
治療中の方はかかりつけ医の指示にしたがってください。

※本記事は広報誌「やわらぎ」(160号:2019 夏号)に掲載したものをWEB用に再編集したものです。

この記事を書いた人

稲葉看護師

稲葉 温子(いなば あつこ)

所属:がん化学療法センター

資格:がん化学療法看護認定看護師

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