栄養バランスよく、適量を食べられていますか?〜脂肪肝の食事のポイント〜

肝臓病の食事は、毎日きちんと栄養を摂ることがポイントです。

最近はいつでもどこでも食べられるようになり、食べ過ぎによる弊害(脂肪肝)が見られるようになっています。
季節の食材を取り入れ、おいしく賢く食べましょう。

脂肪肝とは

脂肪肝とは、食べ過ぎや運動不足のために余った糖質や脂質が中性脂肪に変わり、肝臓に過剰にたまった状態です。
見た目がスリムな人にも見られ、体重が2〜3㎏増えただけでも肝臓に脂肪がたまる可能性があります。

脂肪肝を放置すると、徐々に悪化して肝硬変に進行したり、肝臓がんを発症する人もいます。

脂肪肝の原因として、MASLD(マッスルド:代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)が指摘されており、糖尿病、脂質異常症、高血圧、肥満の人が増加していると報告されています。
そうならないためには、適切な食事や運動など、日々の生活習慣を整えることが大切です。

脂肪肝を放置すると、肝硬変や肝がんに進行することがあります。

脂肪肝の食事のポイントは?

1回の食事の基本は、以下の通りです。

  • 主食:1品
  • 主菜:1品(魚、肉、卵、大豆製品など)
  • 副菜:2品(野菜、きのこ、海藻類)
主食・主菜・副菜

1日に必要なそれぞれの摂取量は、手ばかりで把握できます。
以下の写真を参考にして、3食ともそろえて食べるようにしましょう。

1日量の目安(手ばかり)

主食
(米類・パン・麺類など)


(1食分)手のひら  ×  3食
※3つのうちから1食につき1つ選びましょう


手のひらにのるくらい + 牛乳1杯


手のひらに1杯(1日350g以上)

果物


握りこぶし1個分


OKサインに入るくらい

気を付けるポイント

  • 野菜類
    野菜には食物繊維が含まれており、腸からの糖質や脂質の吸収を遅らせるため、食事の最初にゆっくりよくかんで食べるように心がけてください。
  • 味付け
    味付けが濃いと、つい食べ過ぎてしまいます。最初は物足りなさを感じるかもしれませんが、薄味に慣れ、漬物類など塩分の多い食品は控えましょう。
  • 間食
    間食が多いとエネルギー過多になります。お菓子類やジュース、果物は糖質が多いため、量や頻度を減らしましょう。
  • お酒
    アルコール類は脂肪肝の原因となり、飲酒量や期間が積もるほど、より重い肝臓の病気につながるため注意が必要です。
  • 運動
    食事と共に大切なことは運動です。加齢や運動不足などの影響で筋肉が減ってしまった状態を「サルコペニア」と呼びます。栄養バランスのよい食事をとり、筋肉量を落とさないための運動を心がけましょう。

料理教室で体験してみませんか?

当院では1997 年から肝臓病教室を開始し、1999 年からは食事療法の実践編として料理教室を行っています。

医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、調理師など多職種が参加し、全員がエプロン姿で参加者と一緒に調理し、料理を食べながら食材の組み合わせ方や量、味付けなどを確認し、食事療法につなげています。

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ご自宅にある材料や旬の食材を使って、手間なく簡単につくれるメニューになっていますので、ぜひ試してみてください。

この記事を書いた人

大原  秋子(おおはら あきこ)


所属

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管理栄養士

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