ステレオガイド下マンモトーム生検
マンモグラフィだけで検出できる、つまりしこりとして触れない、超音波でも検出できない石灰化病変を主に検査しています。
症例
71歳女性

(マンモグラフィ 右MLO)

(拡大)多形性石灰化と微細線状石灰化が混在、区域性分布。カテゴリー5。
検査手順
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専用のベッドに横向きに寝て、マンモグラフィ装置の圧迫板で乳房を挟みます。
<マンモトーム装置>
<マンモトーム針>どうしても寝てできない場合、椅子に座った状態で行うこともあります。
- 2方向からマンモグラフィ撮影をして病変の位置を確認し、コンピュータで生検針を刺入する位置、深さを決定します。
- 皮膚を消毒して、刺入部の皮膚および皮下に局所麻酔をします。
- 皮膚を約5mm切開し、マンモトームの針を進めます。
- 病変部に針が到達していることが確認できたら、針の側面の窓を開け、病変部の組織を吸引し、針の窓を閉めながら組織を切除し、針の中に病変を採取します。
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針を回転させて窓の向きを変え、組織の採取をくり返します。針を抜くことなく、必要に応じて何回も採取できます。
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採取した組織を他のマンモグラフィ装置で撮影し、病変が採れているかを確認します。
<標本撮影>
石灰化がマンモグラフィと同様に
白く描出されています。
(病理)非浸潤性乳管癌 - 病変が癌であった場合、手術が必要になります。その場所を特定するためにステンレス製の小さなクリップを埋め込んでおきます。良性であった場合はこのクリップが乳房の中に残ってしまうことになりますが、体に害を及ぼすことはありません。
検査終了後
- 出血がないことを確認して帰宅となります。原則として入院の必要はありません。
- 翌日来院していただき、圧迫をはずします。
- 病理組織検査の結果は1週間でわかります。