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せん妄対策・認知症ケアチーム

当院に入院中の患者さんのメンタルの不調について、早期に適切な治療やケアが行えるように、 2019年春に、「せん妄対策・認知症ケアチーム」を立ち上げました。

せん妄・認知症とは

せん妄は…

身体の原因に由来する脳の機能不全の状態です。急性/一過性に経過し、意識レベルの低下を背景としてさまざまな認知機能障害や精神症状を伴う症候群です。イライラが激しくなったり、急に認知症の症状が進行したようにみえたり、また、転倒・転落につながることもあります。
患者さんの苦痛やご家族の負担も並々ならぬ面があり、迅速な対応・ケアが必要です。多くの場合は可逆性(元の状態に戻りうること)であり、適切な対応により数日から数週間で改善します。高齢であることや、物忘れが目立ってきた方、脳梗塞や脳出血などの脳の病気の既往、アルコール多飲歴、全身麻酔の手術前後、せん妄を起こしやすい薬を飲んでいることなど、一つでも該当すればせん妄リスクがあると考えて、入院とともに早期にせん妄対策をすることが必要です。せん妄は、準備因子、誘発因子、直接因子と3つの因子に要因を分けて、予防的に対策を推進することがポイントです。

せん妄の発症危険因子

認知症は…

認知機能の低下に伴い、生活に支障が出てきますが、今日では一人暮らしであったり、家族との交流が少なくなったりし、認知症に気づかれていないケースも珍しくありません。高齢化が顕著なわが国では、認知症ケアは医療現場においても差し迫った重要な課題です。認知症を患う患者さんが入院した場合、認知症による行動心理症状(BPSD:イライラ、不眠、抑うつ、食欲低下、妄想など)やコミュニケーションの困難さなど、身体疾患の治療へさまざまな影響が危惧されることは少なくありません。
これらの問題に、より迅速に対応できるよう、チーム一丸となり尽力しています。

チームメンバー

医師(心療科・神経科)、薬剤師、認知症看護認定看護師、精神保健福祉士(PSW)、公認心理士(臨床心理士)、理学療法士、作業療法士、管理栄養士
せん妄対策・認知症ケアチームメンバー

多職種のメンバーにより、週1回カンファレンスを開催し、院内各科病棟ラウンドを実施しています。せん妄対策・認知症ケアについて、各科病棟スタッフと活発に意見を交換し、せん妄予防や、せん妄の治療を推進しています。また、認知症のある方には、入院という環境変化は精神的にも身体的にもストレスとなる場合は少なくありませんが、専門的知識を有するチームメンバーと病棟スタッフが情報を交換することで、少しでも安心して入院生活を送っていただけるよう、サポートに努めています。
当チームでは、病棟リンクナース、身体科医師(麻酔科、整形外科、内科、外科、緩和ケア科、リハビリテーション科)とのミーティングも定期的に開催し、せん妄対策や認知症ケアについての情報を共有しています。また、せん妄や認知症に関連して、定期的な院内研修会を開催することや、電子カルテで《せん妄リスク薬一覧》や《せん妄治療アルゴリズム》を公開し、院内でせん妄対策認知症ケアについて、最新の情報共有に努めています。
当チームと病棟スタッフ・各科担当医との連携により、年齢を重ねた方々にも安心して入院治療を受けていただけるよう、これからも活動してまいります。

せん妄対策・認知症ケアチーム
当院のせん妄ハイリスク薬一覧表
せん妄に対する薬物治療アルゴリズム例