岡山済生会総合病院

MENU

活動記録

平成23年度の宇和海合同診療が行われました

事務次長 矢野 泰利

事務次長 矢野 泰利

今年も済生丸による宇和海合同診療が、5月と7月の二度にわたり、当院が幹事病院として行われました。この宇和海合同診療は、愛媛県済生会の主催で宇和海に浮かぶ離島の島民(日振島・竹ケ島・戸島・嘉島・大島)の検診や診療を行う毎年恒例の合同診療で、愛媛県内の済生会病院(今治病院、松山病院、西条病院)3施設が3年ごとに幹事病院を持ち回りで行っています。今年度は、非常に天候にも恵まれ一次、二次を合わせて延べ900名余りの島民が診療に来られました。

検診が中心の一次、検診初日から診療所の先生に厳しい一言

一次の合同診療は、島民の血液検査や胃透視、子宮がん等の検診業務が中心で、5月17日~20日までの4日間行われ、延べ500名余りの島民の方が検診を受けに来ました。前日に部門ごと(看護部・放射線部・検査部・事務部等)に、業務の流れや分担等の打ち合わせを行っており、比較的順調に業務をこなすことができました。
また、この一次検診については、島民の生活時間帯に合わせるため、午前3時半にはホテルを出発し午前6時には検診が開始されるなど、ハードなスケジュールで行われたにもかかわらず、各病院の検診スタッフや島民の方たちともコミュニケーションがよくとれており、いたるところで笑顔が見られるなど、とても明るい雰囲気の中で検診が行われました。

一次検診で唯一反省すべき点は、検診初日に離島の診療所の先生から「あなたたちは、島民の健康管理を目的に検診へ来ているのに、煙草の臭いをさせながら検診を行っているのはいかがなものか?」「すごく矛盾していると思うが?」と、喫煙に関して非常に厳しい一言を言われ、スタッフ一同初日からへこんでしまい、今後、愛媛県済生会としてどのように対応するのか、大きな宿題を突きつけられたような気がします。

診療が中心の二次、済生丸の意義を改めて認識

二次の合同診療は、内科、小児科、外科、整形外科、眼科等医師による診療が中心で、当院からは7月12日~14日までの3日間、岡田院長をはじめ、小橋外科部長、大森内科部長、廣瀬整形外科医師の4名が参加し、延べ400名余りの島民の診療を行いました。済生丸での診療は、宇和島市の島民の協力で島内の公民館や集会場、学校に簡易な診察室を設置し、医療機関と行政及び島民が一体となって取り組んでいます。
離島での診療は、医療機器に恵まれているわけでもなく、また医薬品等も限られており、けっして島民が満足のできる診療を提供することはできません。しかし、島民のほとんどが、毎年この診療を受けに来ていることから、島民との長年の信頼関係の元に成り立った、済生丸診療の歴史の重みを感じました。
現在、済生丸についてはその存続に関していろいろ言われていますが、どうやら新造船(済生丸Ⅳ生号)の建設も行われ、済生丸による診療も継続されるようです。今年の反省会で、ある先生が研修医に「病院の中にいて患者が自ら訪れる医療もあれば、済生丸の診療のようにこちらから出向く医療もある。どちらも必要な医療であることに変わりない。今後も済生丸の診療は続けるべきである」と力強くおっしゃっているのが非常に印象的でした

最後になりましたが、日々の多忙な業務にもかかわらず、済生丸から持ち帰った検査データーの処理やレントゲンフィルムの読影、カルテ整理をしてくださった外科、内科、放射線科の各先生方、誠にありがとうございました。

合同診療
合同診療
合同診療

このページの先頭へ